自分で歯を抜く行為に潜む五つの危険
ぐらぐらする大人の歯を自分で抜く方法を探している方に、まず知っていただきたいのは、その行為に伴う深刻なリスクです。安易な自己判断は、将来にわたる後悔に繋がりかねません。第一の危険は「感染症」です。口の中には無数の細菌が存在します。不衛生な手や器具で歯を抜こうとすれば、傷口から細菌が侵入し、歯茎が化膿したり、場合によっては顎の骨にまで炎症が広がったりする恐れがあります。第二に「歯根の破折」です。永久歯の根は複雑な形をしており、顎の骨にしっかり埋まっています。無理な力を加えると、歯の根が途中で折れて骨の中に残ってしまうことがあります。こうなると、歯科医院でも取り除くのが非常に困難になり、大掛かりな手術が必要になることもあります。第三の危険は「大量出血」です。歯茎には多くの血管が通っています。特に炎症を起こしている歯周組織からの出血は、なかなか止まらないことがあります。第四に「周囲組織へのダメージ」。隣の健康な歯を傷つけたり、歯茎や顎の骨に不要なダメージを与えてしまったりする可能性があります。そして第五が「激しい痛み」です。歯科医院では麻酔を使用しますが、自宅に麻酔はありません。想像を絶する痛みに耐えなければならないだけでなく、抜歯後も痛みが続く可能性が高いのです。これらのリスクを考えれば、ぐらぐらの歯を抜く唯一安全な方法は、歯科医院で専門家の処置を受けること以外にないことがお分かりいただけるでしょう。