知識
-
エナメル質はなぜ自分で再生しないのか
私たちの歯の最も外側を覆い、ダイヤモンドに次ぐほどの硬さで内部を守っている組織、それがエナメル質です。この記事ではエナメル質はなぜ自分で再生しないのかについて詳しく解説します。ぜひこの記事を参考にしてエナメル質についての理解を深めてください。食事の際に硬いものを噛み砕き、冷たいものや熱いものの刺激から歯の神経を守る、まさに天然の鎧と言える存在です。しかし、この強固な鎧には一つ、致命的な弱点があります。それは、一度失われると二度と自力で再生しないという点です。皮膚がすりむけても新しい皮膚が再生するように、私たちの体の多くの組織には自己修復能力が備わっています。では、なぜエナメル質だけが再生しないのでしょうか。その理由は、エナメル質が作られる過程にあります。エナメル質は、歯が顎の骨の中で成長する段階で「エナメル芽細胞」という専門の細胞によって作られます。しかし、このエナメル芽細胞は、歯が完成して歯茎から顔を出す(萌出する)と同時に、その役目を終えて消滅してしまうのです。つまり、私たちの口の中に生えている歯には、もはやエナメル質を作り出す工場そのものが存在しない状態なのです。そのため、虫歯菌が出す酸によって溶かされたり、強い力で削れたりして失われたエナメル質は、二度と元の厚さに戻ることはありません。この再生能力の欠如こそが、私たちが日々の歯磨きを徹底し、虫歯予防に努めなければならない最大の理由なのです。