私は以前、右下の奥歯にこれまで経験したことがないような激痛を感じ、顔の半分が腫れ上がるという事態に見舞われました。原因は数年前に治療した歯の根の先に膿が溜まったことで、歯科医院に駆け込んだときには、すでに歯ぐきにぷっくりとした黄色い膿の出口ができている状態でした。先生からはすぐに根管治療で膿を出す必要があると説明されました。治療が始まると、まず歯の被せ物を外して中の汚れを取り除いていくのですが、器具が根の奥に届いた瞬間に、溜まっていた膿がドロッと溢れ出してくるのが自分でも分かりました。驚いたことに、膿が出た瞬間にそれまで頭に響くようだった圧迫感がすーっと消えていき、痛みが劇的に軽減されたのです。先生は「これで膿の逃げ道ができたから、あとはじっくり消毒していきましょう」と言ってくださり、その日は根管を洗浄した後に、膿が排出されやすいように仮の蓋をあえて緩めにして終わりました。翌日にはあんなに腫れていた顔も元通りになり、食事も少しずつ摂れるようになりました。しかし、そこからの通院が本当の勝負でした。週に1回のペースで通い、根管の奥を何度も丁寧に掃除し、薬剤を入れ替えるという作業が1ヶ月以上続きました。正直なところ、痛みが消えた後は通院を面倒に感じることもありましたが、先生から「ここで膿を出し切って無菌にしないと、またすぐに再発して抜歯になってしまいますよ」と念押しされていたため、最後まで通い続けることができました。数回目の治療で、先生が「もう膿は全く出ていませんね、中も綺麗です」と言ってくれたときは、自分の歯を救えた実感が湧いて本当に嬉しかったです。最終的には根の先までしっかりと薬剤を詰め、新しい冠を被せて治療は終了しました。現在は何の違和感もなく、自分の歯でしっかりと噛める幸せを噛み締めています。あのとき、無理にでも膿を出す処置をしてもらわなければ、今頃は入れ歯やインプラントになっていたかもしれません。根管治療で膿を出すことは確かに時間がかかりますが、それによって得られる安心感は、何物にも代えがたいものだと痛感しています。